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こどもと歯医者

ここは、こども専用歯医者。

待合室にこどもが遊べるコーナーがあったり、診療台にビデオがついている。このような歯医者はベルリンだけでなくて他の都市でもトレンドになっているかもしれない。

ただここの歯医者たちのすばらしいのは、治療の間中、親にではなくて、こどもと対等に向かい合い、徹底的に忍耐づよくこどもに説明してくれること。だからこども信頼して、納得の上で歯医者に心を開き、自分の意思で口を開くことができるのだ。そこにあるのは話術ではなくて、誠意。

例えば治療中の一挙一動は、かならず何をするかあらかじめ説明して(こどもの)了承を得てから(水をかける、穴を掘る、きれいにする、冷たくなる、などなど)。そうして安心させつつ、少しでも子供が不安だったら、即座にストップ。無理強いしない。これで驚くほど短期間で信頼関係が出来上がるのだ(ただし一回目は診察台に上って見せるだけ、治療は二回目からのみ)。

こわがりの娘が7歳のとき。
麻酔の注射をしないといけなかったのだが、歯医者はまず最初に、「よく見てね」と、注射針を娘の目の前にかざした。そして、そこから一滴液をたらして「実はね、これは魔法の水なの。これがつくと絶対に痛くないの」。次に、きれいな魔法の棒を手に持たせ、娘が素直に指示どおりそれを眺めているうちに注射針がささり・・・

それは間違いなく痛いはずで、その後も麻酔で感覚がいつもとちがうはずだ。しかし信頼できる人からの「魔法の水」に「魔法の棒」による暗示に、言われたとおりの結果になる。つまり、怖いこともなく、泣くこともなく、一切の痛みを感じることさえもなく治療が終わったのである。そして最後に「すばらしい」「がんばれたね」「勇気がある」とほめられて、(本当にそのとおりである)自分を誇らしく思っているために、その後も痛みを感じない。それまでの痛みもなかったことになっているのだ。そしてそのことはわれわれ親たちに武勇伝として語られる。

気を紛らわすおもちゃや、過剰な演出ではなくて、ただごまかさずに、こどもの心とちゃんと向き合うことで痛みがなくなるとは、うそのようだが本当の話・・・

今は8歳の娘、今回の診察では、クリーニングだけのはずだったのが、ぐらぐらしていた乳歯の後ろから永久歯が生えてきていたので、急遽抜くことに。しかし、今回はちょっと冷やしただけで麻酔などせずに、あっという間に抜歯。もちろんこどもに理由を説明し、その了承を得てからだが、一応引っ付いていた歯を抜いたわけで、血は出るし、食事はしばらく取れない。話もすぐにはちゃんとできなかったが、それでも本人曰く「いはふなはった(痛くなかった)」。

こどもの素直さと、ごまかさずにちゃんと向き合うことの大切さをを痛感。「信じる」気持ちが生み出す力というのはすごい。

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