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粉雪の舞う喫煙席

ドイツではすでに公共施設では全面禁煙が徹底されている。それはカフェやレストランも例外ではない(一部喫煙できるレストランやカフェもあるが非常に稀)。

スペインなどのラテンの国に比べ、喫煙者が断然少ないドイツだが、それでもカフェ文化が歴史的に根づいている国で、カフェと切っても切れない縁のタバコが消えてなくなるなんて、なんだか不自然な気がしたものだ。そもそもタバコを吸うためにカフェに通う、という人も少なくなかったはず。禁煙導入の当初は、数年後にタバコの煙のないカフェというものがすっかり定着するなどとは、思いもよらなかった。

しかし、予想に反して今ではすっかりカフェの空気はきれいになり、どの店も今まで通り繁盛している。というのも、喫煙者もカフェ通いをやめたわけではない。粉雪が舞おうが、マイナス15度であろうが、みな外に一服にくるだけだ。

ドイツでは個人主義が徹底していて、法律や公共のルールさえ守っていたら、どんなに変わってても後ろ指をさされることがない。「KY」なんてこともいわれない。ここは明文化とルールの社会であり、「K」なんてないのも同然。無視するし、無視される。しかし一旦明文化されたルールとなると(たとえばこの禁煙のような)みんな必ず守っている。サマータイムもしかり。時間を間違えたり、忘れていたりするドイツ人に会った事がない(私が知る限り、うっかりがあったのは私をはじめとする日本人だけだ。自分自身それで一度フライトをミスったことがある)。

ルールが一旦決められてしまえば、それ現実的に無理じゃないの?と思うことでもみんな守る。その潔さには人情も情状酌量の余地もないが、その下地があってこそ、個人的な自由が守られているのだと思うと、住みやすい社会といえるかもしれない。

ところが最近、ドイツの経済団体が勤務中のタバコ休憩が仕事の生産性を下げ、経済的に社会(会社)に悪影響を及ぼしているということを試算をもって発表したらしく、議論になっている。ねらいは勤務時間中の全面禁煙導入らしいが(休憩時間も場所にかかわらず全面禁煙にするという)、ここまでくると、個人の自由の領域まで犯されるような気がするし、個人的には(私は喫煙者ではないが)反対である。生産性を上げるという意味なら、携帯の使用や、厳しくネットの規制をしたほうが効果があるように思う。

世の中が健康になり、すべてが合理的かつ効率的なのは理想的で、美しいかもしれない。でも何か物足りない気もする。それは、ただの優等生よりも少々欠点のある人の方が面白かったりするのと似ている。もちろん自分が後者だからこそそう思うのも、十分承知の上である。

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