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男と女(風邪ヴァージョン)

キッチンにたって夕食を作っていたら、突然の寒気に襲われた。ただの風邪と思っていたらどうやらインフルエンザだったよう。もろもろを娘に託して急遽ベットに横たわり、悪寒と戦うこと数時間。やっと体温と(おそらく39度くらい)体感温度がいっしょになってほっとしている。

ウイルス(つまりインフルエンザの元など)に効く薬はこの世に存在しないのだから、できるだけ薬は飲まない。私の場合はやむなく飲むと長引くことが多い。そして体が欲するものがわからなくなってしまうので避けたいところ。今回はラッキーなことに夫が帰宅途中だった。連絡すると、保育園で息子をピックアップして急いで帰ってきてくれるという。

夫は帰るなり私の元に来て、心配そうに顔を覗き込み、だいじょうぶ?、といいながら、優しく手をおでこに当ててくれる、なんてことはしない。下の子に見つからないように私を隔離して(私の希望であったのだが)「後はオレが見るから」という言葉を残してぴしゃっとドアを閉め、寝るまでこどもたちの面倒を見てくれた。

とはいえ、ドアの向こうからは時おり、いや頻繁に、子供たちの叫び声や泣き声が聞こえて来て、だんだんと気が気でなくなってきた。高熱で寝られないのもあって余計に気になる。しかし(息子に見つかったら最後、ママ、ママで離れないので)夫にひそかに相談しようと携帯電話に何度かかけてみても、うるさすぎて聞こえないようだ。やっとつながって、「交代しようか」と、高熱の身でありながら親切に申し出ても「だいじょうぶだから!」と逆に殺気立った声が帰ってきた・・・。

10年前なら言っていただろう。「病気なんだから、こんなときぐらい顔を見てだいじょうぶとか、優しい声のひとつでもかけてくれてもいいじゃない!」。そして大喧嘩に発展していたはずだ。おそらく夫には理解不能な思考回路であるがゆえに、独り相撲のような。

しかし、10年後の今はそんな体力などない。心のどこかでひっかかりつつも、これが男の愛の形なのよね、と割り切って受けるに甘んじている。そして実際にこうして回復に向かっているのだから、冷静に考えればもちろんこれでよかったし、感謝している次第なのである。

という風に自分を納得させていたら、娘がそーっと入ってきて(私は一人別の部屋に隔離されて寝るのだ、息子にはママはいないということにして)、小さな冷たい手をおでこに載せてきて「熱いね、だいじょうぶ?おだいじにね」。そして、手作りのお花一輪とアルバムを持ってきてくれた。「ママ、夢で私と旅行したくなったらこれ見てね」と。よくぞ寂しくて心細かった私に、私が必要としていた言葉の愛を運んでくれた・・・

涙ながらにお礼を言った後、ふと思った。それにしても、こういう気の効いたフレーズ、どうして作文の宿題のときに出てこないのかなあ。どこへ誰といついって、何をしたか、の無味乾燥な羅列だけでなくて。

こんなことを思いつく私はどうやらもう随分回復してきたようである。


comment

by YOKO (14.Feb.2012 / 02:00)

少しはましになりましたか?
そういう私も1月末にいきなり高熱が出てダウンしてましたけど、インフルエンザだと身体のあちこちも痛いし、大変ですね。

それにしても・・。
ダンナ様が10年経ってもこんなに優しいんだ~、と思って読んでいたらオチがありましたか(笑)。
うちもこの前の風邪の時は優しかったけど、10年経ったら同じようになるのかなぁ。
でもお子さんの面倒をみてくれるだけでもいいですよね。それが一番体力使うでしょうし。

お大事に・・。

by aya (14.Feb.2012 / 10:11)

Yokoさん、ありがとう。おかげさまですっかり平熱に戻りました。さみしかったけど、隔離されて安静にさせてもらったおかげでね(笑)。


あ、でも夫は結婚したときから、優しい言葉みたいなのはかけてくれない人です。おなか痛い!っていってもそれを認識してはくれますが(さらに頼んだら代わりに何かしてくれますが)、優しい声をかけてくれるということはないタイプ。それが結婚して10年以上たっても変わってないというわけなの。


私が思うに、男の人って女性ほどは変われない気がする。一本調子というか、単純というか・・・だから、Yokoさんの彼、風邪の時に優しくしてくれたんなら、きっとずっとそのままのはず。ーという私の洞察が正しいかどうか、10年後のレポートを楽しみに待ってます(笑)