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サクラ

点と点をあわただしく移動する途上で、視界をよぎった薄紅色の小さな花びら。

ベンチの上にまばらに散っている花びらに顔を上げると、小さな桜並木があった。満開を終えて、すでに葉桜になっていた。日差しはすでに初夏のようで、青葉が目にまぶしい。

その先にある昔通ったカフェに立ち寄る時間もなく、とりあえずサクラを写真に収めて家に帰ると、最近ご無沙汰していたカフェ友達のドイツ人から、2行のメールが届いていた。

ー今朝ジョギングで、満開の桜並木の下を通ったよ。キミはいまごろこんなサクラの木の下で、スシでも食べてるのかなあと思いながらね」

お花見もしてないし、スシも食べてないよ、と返すと「驚いたよ、キミは日本人なのか」と速攻で返信がきた。やれやれと思いながら、日本の美しい習慣ををひとり思い出し、なつかしくなった。

私を、あるいは日本のことを思い起こさせ、私にそんな情緒をひととき抱かせてくれたサクラと彼に感謝しつつ、「ひさしぶりにカフェにいく?」とだけ答えておいた。きっと彼は、あやは日本人でもなかったのか、と幻滅したことだろう。でも、日本の花見の習慣やその美しさなんて、どうしたって言葉で説明することなんてできないのだ。

あの華やかさ。高揚感。まっさらな新しい感じ、神聖な気分。満開で真っ白になった桜の木々の下で、おにぎりがぎっしりつまった重箱をあけたときの嬉しさ。日本人の心は今も生きている。



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