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図書館

 追記。これが前述の図書館。実は開館時間の長さや(朝8時からたしか夜の12時までだったと思う)冷房の有無(ドイツで、銀行以外で冷房が効いているところは極めて少ないのでここれはまれな存在)よりも、世間一般にはこの特殊な建築デザインのすばらしさが認知され、今年開館して以来、こういったアングルの写真とともにマスコミによく取り上げられている。

 以前は広い個室のある、大学病院付属の図書館に通っていた夫だが、夏の暑さをきっかけにこちらに鞍替えして、涼しくなった今も頭の状態がすっきりしている朝の時間を無駄にしたくないとそのまま通い続けている模様。私にしてみれば、こんな気の遠くなるような広大な一部屋で、誰ともひとことも話さずに群集の中のONE OF THEMとして勉強するよりも、個室のほうがずっと落ち着くような気がするのだが。利便性だけでなく、建築の美しさ、快適さに惹かれてやってくる学生も多いようで、どことなくほかの図書館に比べてお洒落な人が多いような気がする。

 勉強は自分だけの自分とのあくなき孤独の戦い。仕事にもある程度はそういう部分があるにしても、どちらかというと人とのかかわりの方が大切な部分が多いし、自分に対する評価も、給料や上司や同僚の反応、世間の目など、客観的に判断できる材料が多いのは実は楽なことだ。でも学生は(とくに比較的自由で誰からの干渉も受けない、完全に自立したものとして扱われるこちらの大学生にとっては)自分で自分を見極め、評価し、自分なりの最大の力を発揮できるように律していかなければいけない。これはかなり厳しい作業だ。

 個人的にはこんな大きな四角い空間に人がうじゃうじゃいて、しかも黙ってお互い向き合いながらも無関心に机に向かっている姿は好きではない。むしろ怖い。しかしこうして眺めてみると、そして8時の開館と同時に席を確保しないといけないと、毎朝40分かけて足繁く通う夫をはじめ、常連の数が半端でないことを思う時、建築をデザインした人は、この超モダンで一見無機質に見える空間を、学生が勉強するに当たっての有機的な発想から作り出したのかもしれないと思えてくる。

 四角い先鋭の建築物の中で、大勢のがんばっている人の気配と隣あわせで勉強したときに生まれるほどよい緊張感。見た目の直線だけでなく、人の視線と心の交錯の線まで計算されているのだろうか。むしろそれがこの建築の目に見えない魅力であって、設計図にはしっかり描かれていたのかもしれない。


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