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夏のひとかけ

 結婚して10年も経つと、「結婚とはxxxである」なんて簡単に言い切れないようになってくる。

 そもそも、国外の別の国に住んでいたもの同士のわれわれ。結婚を決めてひとつの国に住み始めた年と、日本で入籍した年と、ドイツで結婚式を挙げた年が違うため、どれを結婚記念日の基準としていいのかもわからないまま、一度もそういった記念日を祝うことなしに、大まかにいって10年程が過ぎようとしている。

 ひとついえることは、夫婦は面白い単位であるということだろうか。助け合ったり、喧嘩したり、鏡になったり、反面教師になったりし、もちろん時には今でも尊敬したり、惚れ直したりすることもある。本当に忙しい間柄だ(私の場合は、なのかもしれないが)。もともとは他人の二人が、実の親子よりも結果的には長い時間を一緒にすごすことになる場合が多いわけで、勝手知ったる仲とはいえ、いつも自然体でいられるわけでもなく、多く忍耐も必要だ。

 一方で結婚生活の何がいいって、これは人により千差万別だろうが、聞かれてぱっと思い浮かぶのは、夜寝るときに布団が暖かいことと(かなりの冷え性である)、毎朝ややこしいエスプレッソマシーンでおいしいカフェを入れてもらえること。なんていうとゲンキンに聞こえるかもしれないが、長年一緒にいると、案外そういうことしかすぐには思い浮かばなくなるものである。

 とはいったものの、ドイツといえこの頃は暑い夜が続き、布団はひんやりしているほうがありがたいし、エスプレッソマシーンも春から壊れたままだ。かといって、それが結婚生活に影をさしているかというと必ずしもそうともいえず、不思議なものである。

 エスプレッソの代わりにフィルターコーヒーを淹れだした時は、慣れない味にいつも残してしまい、やがて飲めなくなってしまった。しかしこの頃はコーヒーの残りがもったいないからと冷蔵庫で冷やされるようになり、おかげでドイツでは飲めないアイスコーヒーを時折楽しんでいる。これはこれでまあ、いいものではある。それに、外で飲むエスプレッソが家で飲めない分、貴重でおいしく感じられるようにもなった気がする。これもこれで、まあ、悪くない。

 劇的な感動とか、飛び上がるほどの歓喜につつまれるなんてことはまれにしかないが、こうやって時に妥協したり、工夫を余儀なくされたりしながら、ぼんやり楽しく、同じひとりの人と月日を刻んでいく。それが結婚生活ってことか。


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  • 09.Jul.2010
  • by aya
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